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マーケットリスク管理コンサルタント 倉井健一

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トルコ通貨危機とミセスワタナベ

2018年9月30日

8/10(金)から8/13(月)にかけてトルコの通貨リラが暴落しました。今年の春先からじわじわと下げ続けてきたトルコリラですが、政治要因が引き金となって一気に売られました。

トルコ側で拘束しているアメリカ人の牧師をすぐに開放せよと迫るトランプの要求をエルドアンが拒否したため、アメリカとトルコの関係悪化を嫌気した市場が反応したのです。そう書くと対米関係の悪化が主因で通貨下落を招いたようですが、それは単なるきっかけに過ぎません。トルコの通貨が売られた真の要因はトルコ経済のファンダメンタルズが脆弱なためです。

  • 理由その1 - 慢性的なインフレ体質

トルコリラはいま1リラで20円ぐらいの価格です。安くなったなと思う方も多いでしょうが、いまから30年ほど前の80年代は1リラは2000円ぐらいの価値がありました。え―っと驚いた方もいるでしょう。トルコは中東の大国で経済も安定しているイメージがあるからです。ざっと、30年で1リラが2000円から20円になったと仮定しましょう。つまり通貨価値が30年で100分の1になったわけです。ln(100)/30≒15.3% 計算式の説明は省きますが、年に15%超のインフレ率であったことが分かります。

  • 理由その2 - 経常赤字

経常収支の詳しい説明は省きますが、国の経常収支が赤字ということは外国との取引で支払いが多いということです。足りない分は外国から借りてくるか、投資をしてもらうということになりますがトルコの場合、2010年頃から急激に赤字幅拡大しています。その結果積みあがった対外債務の金額は約70兆円。そのうち一年以内に期限が訪れる短期債務が約20兆円と言われています。

  • 理由その3 - 外貨準備

一年以内に借り換えを迫られる短期債務20兆円に対して、トルコが保有する外貨準備高は約9兆円ほどしかありません。一般的に外貨準備が十分あるかどうかを判断する際、短期債務に対する比率が100%以上あるかどうかを目安にしています。トルコの場合この比率が既に50%以下に落ち込んでおり、デフォルト常連国のアルゼンチンより悪くなっています。

救いが無いなと感じたのはエルドアン大統領がこの事態を西側、特にアメリカの陰謀であると断じたことでした。政教分離を掲げてきたこれまでの政党と異なりイスラム色が強い政策を打ち出すエルドアン大統領は「金利は諸悪の根源」と言い放ち、政策金利の引き上げに抵抗します。自国の問題点には目を向けず、敵を外に求めて硬直的な政策運営をする。私が思い出したのは故チャベス大統領率いるベネズエラです。この国はチャベス大統領の時代に強硬な反米政策で有名になりましたが、いまどうなっているかというと、国民はごみ箱をあさって食べ物を探したり、野良犬や雑草を食べてなんとか命をつないでいます。

 

ハイパーインフレでトイレットペーパー一つ買うにも

政治というのは怖い、長年の失政は国の経済、産業を破壊します。トルコもいまその入り口に立っていると言えるのかも知れません。

ところで、ミセスワタナベと呼ばれている日本の個人投資家はこのトルコリラに積極的に投資してきました。投資を進めた理由は20%近い高利回りが期待できるからでしょう。日本円で持っていても金利はゼロ、トルコリラにして置いておけばそれだけで年率で2割の利子が付くわけですから。しかし、高利率の背景にも目を向けるべきです。前段で述べたようにインフレによってその国の通貨は減価していきます。年率15%超のインフレ率はその国の通貨を5年で半分に減価します。いま100万円をトルコリラに投資するとして、5年後にトルコリラを円に換金するときには50万円になってしまうのです。

もちろん、為替レートは一方的な方向だけに動くわけではないので、上手に底値を捉えれば逆に儲かるという考え方もあるでしょう。でも、トルコリラの基本的なトレンドは5年で半額、それを忘れてはいけません。ミセスワタナベの投資姿勢を見ているとインフレリスクを軽視しているように思われてなりません。為替レートなのでゼロになることはないだろうと高を括っているのでしょうか。でもベネズエラを見て下さい。ハイパーインフレーションによって通貨価値はあっという間に千分の一になりました。為替レートが千分の一、万分の一になるということは通貨価値が失われてゼロになるのとほぼ同じです。

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