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マーケットリスク管理コンサルタント 倉井健一

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オプションリスクと東芝

2017年2月20日

東芝が解体の危機に瀕しています。債務超過が決定し、稼ぎ頭の半導体事業の売却、東証2部への降格が噂されています。私の友人も何人か東芝に勤めているので本当に他人事ではない感じがします。危機の原因はWHの買収と原子力産業の不振にあることは間違いないのですが、ここではファイナンスのリスク管理の視点で東芝危機をもう少し深堀してみたいと思います。

メディアからの報道によると東芝はオプション契約を保有していたようです。

2016年5月26日、米スキャナ電力が1通のプレスリリースを配信した。同社が発注し、東芝の米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)がサウスカロライナ州で建設中の「VCサマー2/3号機」について、一定額以上のコスト負担を拒否するという内容だ。具体的には5億500万ドル(約570億円)を支払って「固定価格オプション」を行使することで、スキャナ電力が支払う原発建設コストの総額を最大76億7900万ドル(約8680億円)に固定する。建設工事に関してこれ以上のコスト超過が発生した場合は、スキャナ電力ではなくWHが支払うように契約を変更する。11月に米国の規制当局が承認し、実際にオプションが発動した。(2/16日経ビジネス

原子力発電施設を発注した側が建設コストの上限を設定できる、すなわち支払額にキャップがあることがわかったのです。これはファイナンス的には発注側はオプションを持っている、逆にWH側(東芝側)はオプションを売っているということに他なりません。オプションとは権利のことなので発注側は支払額に上限を定める権利を持ち、WH側はその上限額で施設を完成させる義務を負うことになります。ここで注意しなければならないのはオプションを売った側は無限大の損失を負うリスクがあるということです。

また、こんな報道もありました。

東芝 <6502.T>は17日、IHI <7013.T>から米原発子会社WH(ウエスチングハウス)株式3%を買い取ると発表した。買い取り金額は約189億円で、今年5月17に取得する。株主資本と純資産には一定程度の減少が生じる見込みとしている。買い取り後、WHに対する東芝の持ち株比率は90%になる。影響額と計上時期は確定後に公表するという。今回の買い取りは、IHIが持ち分を東芝に買い取るよう請求できる権利(プット・オプション)を行使するもの。

IHIが東芝に対してプットオプションを行使したということは、東芝はここでもオプションを売っていたことになります。さらにオプションを売っていたのはIHIに対してだけではなかったようです。カザフスタンの国営企業、カザトムプロムもWH株を10%保有していてここも東芝に対してプットオプションを持っているようなのです。

まだあります。

東芝は25年、テキサス州フリーポートの液化基地で生産する年間220万トンのLNGを31年から20年間にわたって引き取る契約を米企業と結んだ。経営再建中の東芝が平成31年から始めるシェールガス由来の米国産液化天然ガス(LNG)事業で、最大で累計約1兆円の損失が発生する可能性があることが17日、分かった。

LNGを買い取る権利を持っているのなら問題はないのです。権利を行使しなければ良いわけですから。ただ高値で買い取る義務があるとなると話は別です。市場価格よりも高い値段で買い取る義務とはプットオプションの売りです。

オプションを売ると目先のキャッシュフローは改善します。ただ、その裏側には無限定の損失というリスクがあるわけです。東芝はこのリスクを知っていたのかどうか、知っていたとするとリスク評価ができていたのかどうかが問題となります。企業活動の本質はリスクを取って利益を得ることにあるわけですからリスクを取ること自体が問題なわけではありません。但し、リスクは表に出してきちんと数値で評価し、都合の良いシナリオだけではなく最大限度の損失を想定したストレスシナリオも考慮することが必要なのです。

東芝ほどの企業の経営陣がオプションリスクの怖さを知らなかったということは考えたくありませんが、でも実際はそうだった可能性は高いです。ファイナンシャルリテラシーの低さ、リスク管理に対する意識の低さが東芝を破滅に追い込んだと言えるのかも知れません。

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