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マーケットリスク管理コンサルタント 倉井健一

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日本の労働生産性をめぐるウソ・ホント

2016年10月23日

先日、電通の女性新入社員が100時間を超える残業を強いられてうつ病を発症して自殺するという痛ましい事件があり、あらためて日本企業の労働慣行に注目が集まっています。長時間の残業を暗黙の了解として強いる労働のあり方がおかしいのではないか、労務管理はどうなっているのかなど企業に批判が集まり、刑事事件に発展する様相を見せています。

一方でこのような長時間労働が日本人の労働生産性を下げているのだとか、日本の労働生産性は先進7か国で最下位だから長時間労働を是正しなければならないなどの意見がマスメディアに載せられることがあります。それは本当に事実なのか、そもそも労働生産性とは何なのでしょうか?

まず、労働生産性の定義ですが、一国の付加価値の総額を労働人口で割ったものです。この付加価値や労働人口には農業やサービス業などが含まれます(農家の労働時間はどうやって測るのでしょうね)。このことから企業のホワイトカラーの生産性を表した数値ではないということがわかります。また、OECD加盟国で比較した表では一人当たりの労働生産性は21位ですが、時間当たりの生産性では20位と逆に順位が上がるのです。したがって日本特有の長時間労働が生産性を下げているという指摘は当たらないことがわかります。

労働生産性の国際比較

もちろん長時間労働を肯定しているわけではありません。企業の長時間労働や管理外のブラック残業は生産性とは関係なく是正されなければなりません。ワークライフバランスというとありきたりですが、人は企業の僕や奴隷ではない、企業人としての人生だけを歩くのではなく妻や夫、母親や父親、それ以外の社会人として社会に対する多様な関りが日本の社会をバランスが取れたものにしていくからです。

productivityただ資料を見る限り日本人の労働生産性はアメリカ人の6割程度しかないのです。ちなみにOECDの国際成人力調査では成人の読解力、数的思考力、ITを活用した問題解決能力を測定しており、日本人の成績はすべての項目で一位、しかも2位に大差をつけてダントツの一位なのです(アメリカは20位前後)。それにもかかわらず日本人の生産性はアメリカ人よりも40%も低い、そんなことがあり得るのでしょうか。

国際成人力調査

実は日本人の労働生産性の順位は70年代からそんなに変わっていません。バブル経済の頃は若干上がって14位になりますがバブルによるかさ上げなので20位前後がずっと定位置なのです。すなわちこの順位は構造的なものだということです。

生産性に影響を与えるファクターはいくつかあります。その一つが産業構造です。農業よりも製造業、製造業よりも金融業の方が一人当たり多くの富を生み出します。つまり農業国よりも金融国(そんな国があればですが)の方が労働生産性は必然的に高くなります。

資本装備率もそうです。これは一人当たり多くの資本を装備している方が生産性は高くなるということです。一人で自宅の裏庭を耕して種をまいて収穫するよりも、資本(機械)を導入してより広い農地を耕すほうが圧倒的に大きい収穫を得られます。

また、天然資源があるかどうかというのは大きいです。資源があれば穴を掘ることによって富を生み出すことができます。大した産業もないオーストラリアの生産性が日本よりも高い理由はそこにあります。OECDではありませんがカタールやブルネイの労働生産性も凄いです。日本を圧倒しています。あくせく働かずに富が得られるというのはある意味、大変羨ましい話ではあります。

次に失業率の問題があります。失業が発生して社会問題になっている国、例えばギリシャやスペインの労働生産性が日本よりも高いのは日本よりも失業率が圧倒的に高い(若年層では5割を超える)ことと無関係ではありません。どうしてかというと、失業が発生する場合、低賃金労働に従事している人、生産性が低い人が犠牲になりやすいからです。また、GDPの減少以上に労働人口が減少すれば見かけの一人当たりの生産性は改善するのです。

欧州や米国は階級社会です。その中で底辺に組み込まれる移民労働者などはそもそも統計から漏れている可能性もあります。主に低賃金労働を請け負っている移民がごっそりと統計から抜け落ちていれば見かけの生産性は改善されるでしょう。日本だとそうはいきません。不法移民が少なく統計がしっかりしているので裏社会の稼業(オレオレ詐欺とか)以外はしっかりと労働人口にカウントされます。

そうして考えていくと日本の労働生産性が低いという事実は悪いことばかりではないという気がしてきます。失業率が低いという事実を合わせて考えれば、能力が平均以下の人たちにもきちんと仕事があって賃金を支払うことができている。このことが社会や政治の安定にとってどれだけ重要なのかは南欧の諸国と比較しなくてもわかると思います。

私が考えるアメリカの労働生産性が日本より4割も高い理由は次の通りです。

  • 基軸通貨国である。バンバンお金を刷っても結果として国内に還流してくる。
  • 上にも関連しますが、産業構造が金融にシフトした金融帝国主義の国である。
  • 資源国である。高いお金を払って他国から資源を買う必要がない。
  • 失業率が高い、実際の失業率は統計で発表されるものよりも高いと言われている。
  • 不法移民の存在、低賃金の不法移民は不法なので統計からごっそり漏れている。

等々の理由によるものと考えています。あくまで私の推測なので裏付けはないのですが、当たらずとも遠からずではないかと思ってます。

だからと言って、日本の労働生産性が低いままで良いということにはなりません。労働生産性の向上は地道に粛々とやっていかなければならない永遠の課題です。

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