リスクヘッジとデリバティブ

デリバティブ評価が重要なわけ

当社のリスク管理の考え方

サービスメニュー

小冊子お申し込み

無料メルマガ配信中

-マーケットリスクから会社を守る-
リスクニュートラル公式メールマガジン

イメージ

金利上昇、価格高騰に左右されないリスクヘッジを考えるガイドブックメルマガ。
購読お申し込みはこちら

御社名 :
お名前 :
メールアドレス(必須) :

デリバティブ取引で損をしないためには

ご案内

コンサルタントの紹介

マーケットリスク管理コンサルタント 倉井健一

プロフィール写真

為替リスク、マーケットリスクにフォーカスしにフォーカスし、輸出入業者が抱える問題を、評価・分析・レポーティング・コンサルを通して具体的なアドバイスで解決に導きます

プロフィールはこちら

公式ブログ

南山学園のケース

2014年10月17日

10月16日、愛知県の南山学園が証券会社2社を相手に訴訟を起こしました。

デリバティブと呼ばれる金融商品の取り引きで巨額の損失を出したのは、リスクについて十分な説明がなかったためだとして、名古屋市の学校法人、南山学園が、資産運用を担当した証券会社2社に対して、合わせておよそ88億円の賠償を求める訴えを起こしました。

名古屋市で南山大学などを運営する学校法人南山学園によりますと、学園はおととしまで、野村証券や UBS証券など証券会社6社と、デリバティブと呼ばれる金融商品の取り引きによる資産運用の契約を結んでいましたが、その際、合わせておよそ229億円の 損失が出たということです。
これについて学園は、取り引きのリスクについて十分な説明がなかったとして、このうち、UBS証券に対しておよそ67億円、野村証券に対しておよそ21億円の損害賠償を求める訴えを、16日までに東京地方裁判所に起こしたということです。
学園は、ほかの4社に対しても訴えを起こすかどうか検討しているとしています。
UBS証券は「今後の裁判手続きで当社の主張を行っていきます」とコメントしています。
野村証券は「個別の案件についてはコメントを差し控えます」としています。

 

事件が起きたのはリーマンショック後の2009年であり、それから5年が経過しています。

2013年に第三者委員会による報告書が提出されていて、次のリンクで参照可能です。

資産運用問題総括委員会報告書

事実関係を簡単に追ってみると、

初回のデリバティブ契約は2005年8月、そして2008年6月までに以下の金融商品を契約したとあります。

  • 有価証券店頭指数等スワップ取引
  • 通貨スワップ
  • 為替レート連動金利スワップ
  • プットオプション
  • 日経平均トリガー型CMS連動スワップ
  • 日経平均及びFXトリガー型金利スワップ
  • 2通貨連動スワップ
  • 長期為替取引
  • シンセティックCDO

など36契約

学園の資産運用指針では流動性資産、安定性資産、収益性資産のいずれかに投資を行うとされていた。(後に収益性資産の一つとして金融派生商品が加えられる)

損失を招くに至った原因として「デリバティブ取引に対するリスクの認識の欠如と運用指針の不遵守にあった」としている。

主な登場人物は2名、財務担当理事と財務事務室長である。

財務担当理事

学園の資産管理の実務責任者である。デリバティブ取引の実務的な知識や取引経験はなかったがオペレーションズリサーチの専門家としてデリバティブを理解しているとの自負を有していた。業者と応対した財務事務室長からの報告、説明を受けてデリバティブ取引締結の判断を行った。リスクについての認識を欠いたまま取引を継続し、指数スワップで4億円の損失が発生した際にも円高リスクを想定せず、為替がゼロになることはないなどの楽観的な認識の下に米ドルだけではリスクがあるのでユーロ、豪ドルなどに分散すればリスクをヘッジできると考えデリバティブを次々と契約した。

財務事務室長

資産管理の実務担当責任者である。証券会社等との取引の窓口となっていた。元手が不要でリスクはそれほど大きくなく、リターンが見込めるとの説明をそのまま信じデリバティブ取引については調査検討していなかった。財務担当理事への事実の報告と決済を得ることを専らとしていた。

常務理事会

理事長ほか常務理事で構成されている。デリバティブ取引の開始を事後承認し、その後の取引についても理事会で形式的な報告がなされていた。しかし、金融派生商品やデリバティブ取引などのリスクを認識していなかった。また、財務担当理事からも十分な説明を受けていなかった。

関係者の法的な責任

財務担当理事、理事長および常務理事には学園に対して損害を与える意図は全くないので刑事責任を基礎付けるような事実は認められない。財務担当理事に対しては内部規律違反の責任はあるが損害賠償責任等の民事責任を問うに足りる事実を立証することは困難であった。

 

さてこの報告書をどう読んだら良いでしょうか?

誰も責任に問われない無責任な体制の中で229億円もの損失が発生したという事実には驚くしかありません。そして一部の責任は取引を持ち込んだ証券会社にあるとして訴訟に至ったのでしょう。

プルーデントマン・ルールという言葉を聞いたことがあるでしょうか?米国で年金基金などから資産運用を受託し、運用する担当者が従うべきルールとされています。

プルーデントマンとは「慎重かつ思慮深い専門家」を表しています。信託という言葉がありますが、資産管理を信じて託された側がプルーデントマンとしてどのような基準で行動すべきかということです。狭義には善良なる管理者としての注意義務、広義には専ら受益者の利益を図るべきとする忠実義務があります。

運用の受託者の果たすべき義務は最高(ベスト)の運用をすることではないんですね。そこに資産運用の難しさと奥深さがあります。

クライアント企業の要望に良く耳を傾けて、適切なアドバイスをいたします

お問い合わせ・無料相談のご予約は、お電話または、メールにてお気軽にどうぞ

電話・メールの前に必ずこちらをクリックしてください

このページの上部へ